新生児の
ミルク育児
【完全版ガイド】
適切な
量と回数、
うんちの
よくある
悩みまで
徹底解説
初めての育児がスタートし、小さな赤ちゃんを目の前にして
「ミルクの量はこれで足りているのかな?」「夜間寝ているけれど起こして授乳すべき?」
「うんちがゆるい気がするけれど大丈夫?」など、
不安や疑問を抱えている新米ママ・パパは多いのではないでしょうか。
生まれたばかりの新生児期(生後28日未満)は、赤ちゃんの体の機能や消化器官が未熟なため、
授乳のペースが掴みにくかったり、うんちの回数や状態が日によって大きく変化したりと、
手探りの状態が続きます。
この記事では、新生児期のミルク育児に関する基本的な知識を総まとめし、
必要な情報を効率的に収集できるようにしました。
それぞれのお悩みについて確認するべきポイントや受診の判断目安も紹介しています。
毎日の育児に役立ててくださいね。
新生児ミルクの基本!
母乳・粉ミルクの
特徴とは?
赤ちゃんへの授乳方法は、大きく分けて
「母乳(完全母乳)」「粉ミルク(完全ミルク)」「母乳と粉ミルクの混合(混合栄養)」
の3つの方法があります。
まずは母乳と粉ミルク、それぞれの特徴を知っておきましょう。
母乳
母乳は消化吸収が良く、赤ちゃんの成長に合わせて、
成分や分泌量が変化する点が特徴です。
特に、出産直後から数日間分泌される「初乳」には、
たんぱく質や免疫物質が豊富に含まれており、
赤ちゃんを感染リスクから守る働きがあります。
その後「移行乳」を経て「成熟乳」となり、たんぱく質が減る代わりに、
エネルギー源となる乳糖(炭水化物の一種)や脂質が増えていきます。
粉ミルク
(乳児用調製粉乳)
粉ミルクは、母乳の成分を参考に作られており、
栄養バランスが常に安定しているのが特徴です。
また、母乳では不足しがちなビタミンDや鉄などの栄養成分も
あらかじめ必要量になるように強化されています。
母乳の代替品として活用することで、
パパや他の家族も授乳に参加できるという大きな魅力もあります。
授乳方法について、「絶対に母乳でなければ」と気負いすぎる必要はありません。
母乳の分泌量やママの体調、ご家庭のライフスタイルに合わせて、
粉ミルクを上手に取り入れながら赤ちゃんに十分な栄養を届けてあげましょう。
特に出産後すぐに十分な量の母乳が出るママは多くなく、
足りない場合は粉ミルクで栄養を補ってあげることも大切です。
新生児期の
ミルクの量・回数・
間隔とは?
「赤ちゃんにミルクをどのくらいあげればいいんだろう?」という悩みは、
新生児期の育児において、多くのママ・パパが最初に抱きやすい疑問の一つです。
新生児期の授乳は、1日8回以上、2〜3時間おきが一般的な目安とされています。
新生児の胃は
「サクランボ」サイズ
生まれた直後の赤ちゃんの胃は、
サクランボくらいの大きさしかありません。
生後1週間でアンズ大、1か月でようやくニワトリの卵くらいの大きさになります。
そのため、一度にたくさん飲むことができず、
特に新生児期には「少量を、頻回に」飲む必要があるのです。
【月齢別】ミルクの量と
授乳間隔のリズム早見表
当社の「はぐくみ」ミルクを参考に、新生児期のミルク量と間隔の目安をまとめました。
※横にスクロールします。
なお、粉ミルクの量は回数よりも1日の総量を中心に考え、
目安量に達しなくても元気で体重が増えていれば大きな心配はありません。
授乳スタイル別の
ペースの違い
- 母乳のみの場合:
消化吸収が非常に良いため、ミルクよりもお腹が空くのが早い傾向にあります。
WHOも「欲しがる時に欲しがるだけ(頻回授乳)」を推奨しており、1日8~12回が目安です。 - ミルクのみの場合:
母乳に比べて腹持ちがよく消化に時間がかかる傾向にあります。
そのため、消化器官への負担を避ける目的で、次の授乳(開始時間)まで3時間程度の間隔をあけ、1日8回程度を目安とします。 - 混合(母乳+ミルク)の場合:
母乳メインにしたい場合は、まず左右の乳房をしっかり吸わせ、その後にミルクを足します。
1日8回以上の授乳を目安にしましょう。
一方、ミルクメインの場合は、3時間程度の間隔を目安にします。
「足りない?」
「飲み過ぎ?」
ミルク量を
判断するために見るべき
赤ちゃんのサインとは?
赤ちゃんの成長は個人差も大きいため、授乳の回数や量はあくまでも目安です。
赤ちゃんからのサインを正しく読み取ることで、ミルク量の過不足を防ぐことにつながります。
「足りない」
「お腹が空いた」
のサイン
赤ちゃんが泣くのは「遅め」の空腹サインです。
泣く前に、赤ちゃんは以下のようなサインを出すことがあります。
- 口をパクパク開けて、頭を左右に動かす(探索反射)
- 手や指を吸い始める
- 吸うような口の動きをする、チュパチュパと音を立てる
- クー、ハーと柔らかい声を出す
また、普段と同じ量を与えているのに急に頻繁に欲しがる場合は、
生後2~3週間や6週間頃に訪れる「急成長期」の可能性があります。
体が大きくなろうとしている大切なサインですので、
欲しがる様子があれば授乳回数を増やして様子をみましょう。
正常な体重増加の目安
授乳量が足りているか心配なときは、体重の増加を確認するのも一つです。
新生児期には、赤ちゃんの体重は1日あたり平均で30g前後ずつ増加していきます。
こども家庭庁のデータでは、出生時に約3.0kgだった赤ちゃんは、
生後30日(約1か月)でおよそ4.0kg前後(約1kgの増加) になるのが目安です。
【乳幼児の身体発育値(体重)】
(参考)こども家庭庁調査結果の概要より中央値抜粋
ただし体重増加が順調でなくとも、赤ちゃんの機嫌がよく、空腹のサインがみられず、
おしっこやうんちの回数も十分であれば、過度に心配せずに見守ることも大切です。
「飲み過ぎ」
のサイン
粉ミルクの場合、以下のようなサインを赤ちゃんが出しているのに、
「作った分を飲み切らせよう」と飲ませ続けると飲み過ぎになります。
- 口をぎゅっと閉じる、哺乳瓶から口を離す
- 顔をそむける
- 飲むスピードが遅くなる
飲み過ぎが続くと未消化のミルクやガスでお腹が苦しくなり、
吐き戻しや軟便・下痢、お腹がパンパンに張るなどの不調の原因になるため注意しましょう。
赤ちゃんが急に
ミルクを飲まなくなった
のはなぜ?
赤ちゃんが
ミルクを飲まない原因
赤ちゃんが「急にミルクを飲まなくなった」「哺乳瓶を嫌がる」といった場合、
例えば以下のような原因が考えられます。
- 哺乳瓶の乳首が合っていない:
流量が多すぎてむせたり、逆に少なすぎて飲むのに疲れて寝てしまったりすることがあります。 - 姿勢や角度が悪い:
体や首にねじれがある、顎が胸に付きすぎていると、赤ちゃんがミルクを飲み込む動作が難しくなります。 - ミルクの温度が合っていない:
ミルクが熱すぎる、冷たすぎるなどの適切な温度でない場合、赤ちゃんが飲んでくれないことがあります。
速やかに
受診が必要な病的サイン
以下のようなサインが見られる場合には、病気のサインである可能性があるため、
すぐにかかりつけの小児科医を受診してください。
- 発熱(特に生後3か月未満で38.0℃以上)がある
- ぐったりして反応が薄い
- 顔色が悪い
- 呼吸が苦しそうである
- 脱水の兆候がある
(おしっこの回数の減少、唇や口の中の乾燥、皮膚の弾力の低下など)
夜間授乳は
いつまで必要なの?
夜中に赤ちゃんがぐっすり寝ている場合、起こして授乳をするべきか迷うママも多いことでしょう。
新生児期の赤ちゃんは体内時計のリズムがまだ整っていないため、
昼夜の区別なく、数時間おきに睡眠と授乳をくり返します。
新生児期は、基本的には、授乳間隔が4時間以上あく場合は、
赤ちゃんを起こして授乳することが推奨されます。
これは、1日に必要な授乳量を確保し、体重増加不良や脱水を防ぐためです。
また母乳育児の場合は、赤ちゃんの飲む刺激や乳房から取り除かれる乳汁量によって、
母乳の産生量が決まるため、頻回授乳を維持するためにも夜間授乳は大切です。
生後3〜4か月頃になり体重が順調に増えていれば、
無理に起こして授乳しなくてもよいケースが増えてくるため、
それまでは夜間授乳を続けるようにしましょう。
うんちとおしっこの
回数の目安とは?
赤ちゃんの排泄回数は大人と異なるため、はじめは驚くママ・パパも多いかもしれません。
新生児期の排泄回数の目安
生まれたばかりの赤ちゃんは膀胱や直腸の容量が小さいうえ、
排泄をコントロールする神経機能も未発達であるため、
1回の排泄量は少なく、回数が多いのが特徴です。
- うんちの回数:
1日5〜10回程度。
個人差も非常に大きく、授乳のたびに出る子もいれば、数日に1回の子もいます。 - おしっこの回数:
1日15〜20回程度。
授乳スタイル
(母乳・ミルク・混合)
による
うんちの回数の違い
一般的に、母乳のみの赤ちゃんの排便回数は、
ミルクのみ・混合栄養の赤ちゃんに比べて多い傾向にあります。
また、母乳で育つ赤ちゃんのうんちは水っぽい〜泥状のことが多い一方、
ミルクで育つ赤ちゃんのうんちは粘土状など、やや固形分が多い傾向にあります。
これは、母乳とミルクに含まれる成分や消化性などの違いによる影響と考えられています。
赤ちゃんの
うんち・お通じから
読み取る
健康サインとは?
毎日のオムツ替えで赤ちゃんのうんちの色や回数、形状を確認することは、
赤ちゃんの健康状態を知る重要なバロメーターとなります。
うんちの色から
わかることは?
- 黄色・茶色・オレンジ色:
健康なうんちです。
母子手帳の便色カードの4〜7番に近い色のうんちになります。 - 緑色:
うんちに含まれる胆汁の色素が酸化したもので、
赤ちゃんが食欲もあり機嫌が良ければ多くは正常です。 - 黒色:
生後24〜48時間以内の「胎便」であれば正常です。
それ以降に続く場合は胃腸からの出血の可能性があるため受診が必要です。 - 赤色:
いちごジャムのような赤い血液が混ざっている場合は
腸重積や細菌性腸炎などの病気の可能性があり、緊急性が高いため、
すぐに受診してください。 - 白色・クリーム色:
胆汁がうまく腸に届いていない「胆道閉鎖症」などの疑いがあります。
母子手帳の便色カードの1〜3番に近い色のうんちが見られた場合は
すぐに小児科へ相談しましょう。
赤ちゃんの
便のゆるさが
気になるときには?
新生児期のうんちは大人と違い、ゆるいのが一般的です。
しかし、うんちの回数とゆるさが普段より増し、
水のような便が1日に何回も続くようであれば下痢の可能性を考えましょう。
とくに以下の症状が伴う場合には、病気の可能性があるためすぐに受診してください。
- ミルクを飲めない、哺乳力がない
- 発熱や嘔吐の症状がある
- 便の色や臭いの明らかな変化がある
- ぐったりしていて反応が弱い、意識がぼんやりしている
赤ちゃんの便秘が
疑われるときには?
排便回数が1週間に3回より少ない、排便時に真っ赤になっていきんでいる、
機嫌が悪いといった場合には便秘の可能性があります。
また、以下の症状が伴う場合には、病気の可能性があるためすぐに受診してください。
- 嘔吐をくり返す、授乳して5分以内に噴水のように吐く
- うんちに血が混じっている
- お腹がパンパンに張って苦しそうである
赤ちゃんの体質や授乳量の不足などによって便秘になりやすくなる場合もありますが、
そのようなケースでは適切なホームケアを取り入れることで
改善が期待できることもあります。
赤ちゃんの
お腹の張りが
気になるときには?
新生児はお腹の筋肉がまだ弱いため、
内臓を支えきれずにお腹がぽっこり出るのは自然なことです。
ただし、授乳のときに空気をたくさん飲んでうまくゲップが出せなかったり、
便秘でガスが溜まったりすると、お腹が張って苦しくなってしまうことがあります。
また、以下の症状が伴う場合には、病気の可能性があるためすぐに受診してください。
- お腹がパンパンに張って硬い
- 苦しそうに激しく泣き続ける
- 緑~黄色の嘔吐をくり返す
- うんちに血が混じっている
安全なミルクの
作り方・授乳の
ポイントは?
新生児を守るためには衛生的な調乳と、空気を飲ませない授乳の工夫が欠かせません。
ミルクを
調乳するときのポイント
調乳前は石鹸で手を洗い、哺乳瓶を洗浄した後、
「煮沸消毒」「薬液消毒」のいずれかで消毒します。
哺乳瓶の消毒は、生後3〜4か月頃までを一つの目安としつつ、
赤ちゃんの体調や季節に応じて継続すると安心です。
また、粉ミルクにはごく稀にサカザキ菌やサルモネラ菌が含まれる場合があるため、
きちんと殺菌するためにも70℃以上のお湯で調乳することがポイントです。
商品のパッケージ表示から必要な粉ミルクの量を確認して正確にはかり取り、
お湯で溶かした後は、赤ちゃんが授乳できる人肌程度の温度になるまで、
哺乳瓶に流水を当てて冷まします。
ミルクを
授乳するときのポイント
赤ちゃんにミルクを与えるときは、哺乳瓶を傾け、
乳首の先端までしっかりとミルクを満たしてから口に含ませてください。
乳首の中に空気が入っている状態で飲ませると、
空気ごと飲み込んでお腹が張る原因になります。
赤ちゃんに
必要な栄養素とは?
赤ちゃんが健やかに成長するために必要な栄養素は、
大人とはバランスが大きく異なります。
乳児期は人生の中で最も成長が著しい時期であるため、
エネルギー密度の高い栄養摂取が鍵となります。
特に大切な栄養素は以下のとおりです。
基本の三大栄養素
- 脂質:
赤ちゃんにとって最大のエネルギー源です。
脳の発育や細胞膜の形成に不可欠で、総エネルギーの半分を脂質から摂るのが理想とされています。 - たんぱく質:
筋肉、皮膚、臓器、そして免疫物質を作る材料です。
ただし、腎臓が未発達なため、過剰摂取は負担になるので適切な量が推奨されます。 - 炭水化物(糖質):
主に脳や体の活動エネルギーになります。
乳児期は母乳やミルクに含まれる乳糖が主な供給源です。
ミネラル
- カルシウム:
骨や歯の形成に必須です。
成長スピードが速い赤ちゃんの活発な骨の代謝を支えます。 - 鉄:
全身へ酸素を運搬し、脳や神経の発達に必要です。
生後6か月頃になると、お母さんからもらって蓄えていた貯蔵鉄が底をつき始めます。 - 亜鉛:
細胞分裂や代謝を助け、正常な味覚や皮膚の状態を保ちます。
ビタミン
- ビタミンD:
カルシウムの吸収を助け、強い骨を作ります。
日光浴不足や母乳育児のみの場合、不足しやすいため注意が必要です。 - ビタミンK:
血液を固める働きを助けます。 - ビタミンA・C:
皮膚や粘膜を保護し、免疫力を高めます。
ライフスタイル
に合わせた
ミルクの選び方とは?
ミルクの製品形態には、大きく3種類があります。
各メーカーの成分の特徴に加え、使い勝手で選ぶのもおすすめです。
ミルクの製品形態別の特徴
- 缶・パックタイプ:
コストパフォーマンスが良く、量の微調整もしやすいです。
大容量で自宅でのメイン使いに最適です。 - スティックタイプ:
1回分が個包装で計量の手間がなく、外出時の持ち運びや夜間の授乳に便利です。 - 液体タイプ:
調乳済みの状態で販売されており、哺乳瓶へ移すだけでそのまま授乳ができるため、時短にも役立ちます。
離乳食は
いつから始まるの?
生まれたての赤ちゃんは母乳・ミルクが栄養源となりますが、
生後5~6か月頃からは離乳食が始まります。
月齢と主な栄養源
※横にスクロールします。
生後0~5か月で必要な栄養源は、母乳・ミルクからすべて摂取できます。
しかし、生後5~6か月頃になると胎内にいる間に蓄えられた鉄が不足し始めるため、
この頃から離乳食で補ってあげる必要があります。
また、生後9か月以降の離乳食後期・完了期で、
離乳食だけでは栄養が補えない場合には
フォローアップミルクを活用するのも一つの手段です。
赤ちゃんの
ミルクアレルギーを
疑うときは?
ミルクアレルギーは、粉ミルクなどに含まれる牛乳タンパク質に体が過剰反応して起こります。
授乳後すぐにじんましん・顔の赤み・咳・ゼーゼーなどが出ることもあれば、
数時間〜数日後に激しい嘔吐、下痢、血便、不機嫌などがみられることもあります。
まれに母乳栄養でも、母親が摂った牛乳成分が母乳に移行して症状が出る場合があります。
ミルクアレルギーが疑われても、自己判断でミルクを変えたり中止したりせず、
小児科へ速やかに相談することが大切です。
赤ちゃんの
ペースに寄り添い、
不安なときは
専門家へ相談しよう!
新生児期は、赤ちゃんにとってもパパ・ママにとっても、
新しい生活リズムを作っていくための大切な期間です。
ミルクを飲む量やペース、うんちの回数などは個人差が非常に大きいものです。
授乳のリズムが整わなかったり、うんちが数日出なかったりしても焦る必要はありません。
体重が少しずつでも増えていて、赤ちゃん自身の機嫌が良い時間があり、
おしっこがしっかり出ていれば、まずは安心して見守ってあげてください。
ただし、発熱や激しい嘔吐、異常なお腹の張り、不機嫌やぐったりした様子、
じんましんなどのアレルギー反応といった異常なサインが見られた場合は、
速やかに医療機関を受診し、小児科医に相談してください。
栄養のこと、授乳のこと、お腹の調子のことで不安を感じたときは、決して一人で抱え込まず、
本記事からリンクしている詳細記事を参考にしたり、
かかりつけの小児科医・助産師などの専門家に気軽に相談したりしてくださいね。
日々の赤ちゃんの小さな変化を観察しながら、
ママとパパの無理のないペースで授乳タイムを楽しんでいきましょう。