新生児の
「便秘」の原因とは?
お家でもできる 対策・解消法を
解説!

お腹のトラブル

お腹のトラブル 新生児の便秘原因と対処法

子育てが始まると、「うんちの回数が他の子より少ないかも…」
「うんちの出が急に悪くなった気がする…」と
赤ちゃんの排便について不安になる新米ママ・パパは少なくありません。
新生児期は便の回数が多いのがふつうですが、個人差もとても大きく、
赤ちゃんの様子によっては回数が少なくても心配いらないケースもあります。
この記事では、新生児のうんちが出にくくなる原因や、お家でできる対策法、
受診をした方が良い症状の目安についてわかりやすくお伝えします。

新生児の
うんちの回数と
便秘のサイン

母乳・ミルクを飲んで育つ新生児は、水っぽいうんちが出やすいのが特徴です。
排泄機能がまだ未熟なため1回ごとに出る量は少なく、
その分、排便の回数が多くなる傾向があります。

1日5〜10回ほどうんちをする赤ちゃんが多いですが、
これには大きな個人差があり、
中には数日に1回程度しか出ない赤ちゃんもいます。

また、授乳方法の違いも排便回数に影響します。
一般的に、母乳よりもミルクで育つ赤ちゃんの方が、
うんちの回数が少ない傾向にあります。

新生児の「便秘症」の診断に明確な基準はありませんが、
次のような様子がいくつか見られる場合には
便秘の可能性を考えてもよいでしょう。

Point

新生児の便秘
チェックリスト

  • 排便回数が1週間に3回より少ない
  • 吐き戻しがある
  • お腹が張っている
  • ぐずって機嫌が悪い
  • 排便時に真っ赤にいきんでいる

新生児が便秘に
なるのはなぜ?
4つの主な原因

健康な赤ちゃんが新生児期に便秘になる原因には、
主に次のようなものがあります。

授乳量・水分量の不足

授乳量が足りない、あるいは
汗をたくさんかいて体内の水分が不足すると、
腸は便から水分を補おうとします。
その結果、うんちが硬くなり、便秘につながりやすくなります。

特に、母乳だけで育てている(完全母乳)場合、
赤ちゃんがどれくらい飲んだかを正確に把握するのが難しく、
授乳量が足りていないことに気づきにくいです。

赤ちゃんの体重を定期的に確認し、もし体重が
しばらく増えていない、あるいは減っている場合には、
授乳量が不足している可能性があります。
また、授乳後わずかな時間でおっぱいを欲しがって泣いたり、
赤ちゃんがなかなか乳首を離さなかったりする場合も、
授乳量が足りていないサインかもしれません。

運動不足

新生児期の赤ちゃんは、眠っている時間が長く
体を動かす機会も少ないため、腸の動きが鈍くなり、
うんちが出にくくなることがあります。

消化機能や筋肉の未発達

新生児期は、まだ赤ちゃんの消化機能が未発達であるため、
排便ペースが安定しないことがあります。
また、筋肉量もまだ少ないため、うんちを出すときに
「いきむ力」が弱く、便秘になってしまうことがあります。

母乳とミルクの違い

母乳はミルクに比べて消化にかかる時間が短いため、
母乳で育つ赤ちゃんはうんちの回数が多く
便に含まれる水分量も多い傾向にあります。

一方、ミルクはタンパク質の組成(カゼインの割合など)や
含まれる脂質構造の違いなどから、母乳よりも
消化時間が長い傾向にあります。
そのため便が硬くなりやすく、
ときにうんちが出にくくなることがあります。

お家でできる!
新生児の便秘ケア

ここでは、お家でも簡単にできる、
赤ちゃんのお通じを促すセルフケアをお伝えします。

お腹のマッサージ&運動

まずは、便秘に効果が期待できる
お腹のマッサージと足の体操をご紹介します。
授乳の直後は避け、赤ちゃんの機嫌が良いときに行いましょう。
お風呂上がりで体が温まっているときもおすすめです。

【「の」の字マッサージ】

赤ちゃんのお腹を手のひらで右回しにマッサージしているイラスト
  1. ①暖かく平らで安全な場所に、赤ちゃんを仰向けに寝かせます。
  2. ②おへそを中心に、ママの人差し指と中指の腹を使って、
    時計回りにゆっくりとひらがなの「の」の字を描くように
    ゆっくり優しくマッサージします。
    力加減は、お腹の表面が軽くへこむ程度で十分です。
  3. ③赤ちゃんが嫌がらない程度に、5~10回ほど繰り返しましょう。
補 足

ベビーオイルや保湿クリームを使うと、肌への摩擦が少なくなり、スムーズにマッサージできますよ。

【足の運動】

赤ちゃんの足を交互に動かしているイラスト
  1. ①暖かく、平らで安全な場所に、赤ちゃんを仰向けに寝かせます。
  2. ②片方のひざ裏を支え、太ももがお腹につくようにゆっくり
    曲げ伸ばしをします。これを左右交互に行います。
  3. ③両ひざの裏を支え、お腹に向かってそっと押すように曲げ伸ばしをします。
  4. ④慣れてきたら、左右の足を交互に自転車をこぐように動かします。
補 足

「いーち、にーい」と優しく声をかけたり、歌をうたったりしながら行うと、赤ちゃんも安心して楽しんでくれますよ。

水分補給

赤ちゃんのお通じを良くするためには、十分な水分補給も大切です。
赤ちゃんの体重を定期的に確認しながら、
十分な量の母乳を与えるようにしましょう。
育児用ミルクの場合は、商品に書かれている表示どおりの
適切な濃度でミルクを作ることも重要です。
新生児期は、基本的には母乳やミルク以外で
水分補給をする必要はありませんが、
便秘の様子によっては、医師に相談した上で、
湯冷まし(一度沸騰させて冷ましたお湯)をあげる場合もあります。

綿棒刺激

綿棒刺激も赤ちゃんの便秘対策としてよく用いられる方法です。
腸の働きが活発になる授乳後30分くらいに行うと、
より効果が期待できます。

赤ちゃんの肛門に綿棒を入れて刺激しているイラスト

〈準備するもの〉

  • 普通サイズの綿棒
  • ベビーオイルまたはワセリン
  • 新聞紙またはおむつ替えシート

〈綿棒刺激のやり方〉

  1. 1.綿棒の先に、オイルをたっぷりつけます。
  2. 2.赤ちゃんの足を優しく持ち上げ、お尻の穴が見えるようにします。
  3. 3.綿棒を肛門から1.5cm程度(綿の部分が入るくらい)まで、 ゆっくりと挿入します。
  4. 4.肛門の穴を広げるように、5回ほどゆっくり綿棒を回して、 腸を優しく刺激します。
  5. 5.10秒ほどで抜き、便が出る可能性があるため、すぐにおむつで押さえます。

1日に何度も行うと、腸の粘膜を
傷つけてしまうこともあるため、
多くても1日1回までにしてください。

また、綿棒刺激は赤ちゃんの便秘対策によく用いられる方法ですが、心配な方は医師に直接やり方を教えてもらった上で行ってくださいね。

【ミルクの場合】
ミルクの種類の見直し

赤ちゃんの体質や味の好みに合わせて、
ミルクの種類を変えてみるのも対策の一つです。
例えば、ビフィズス菌の働きをサポートするオリゴ糖が配合されているものや、
母乳と近いタンパク質組成で開発されたものなど、
赤ちゃんのおなかにやさしい設計のミルクを選ぶのも良いでしょう。

また、ミルクに含まれる乳糖・オリゴ糖などの
種類や配合量によって、甘さや風味は異なります。
味の好みには個人差があるため、
赤ちゃんが飲みやすいものを選んであげてください。
ただしミルクの種類を変えるときは、急に切り替えると
赤ちゃんの体調や便の様子が変わる場合があります。
まずは1日1回分から、というように少量から始めて、
徐々に切り替えていくと安心です。

こんな症状は
すぐ病院へ!
受診すべき危険なサイン

お家でのケアを試しても良くならない場合や、次のような症状が見られるときは、
すぐに医療機関を受診しましょう。

Point

受診の目安となる
症状・状態

  • お腹がパンパンに張って苦しそうにしている
  • 嘔吐をくり返す、授乳して5分以内に噴水のように吐く
  • うんちに血が混じっている
  • 熱があり、ぐったりしている
  • 1週間以上のうんちの出が悪い状態が続き、機嫌も悪い

新生児が便秘のように見える症状のなかには、
まれに、「ヒルシュスプルング病」や「鎖肛(さこう)」といった
生まれつきの病気が隠れている可能性もあります。
心配なときは自己判断せず、かかりつけの医療機関で相談することが大切です。

新生児の便秘には、
様子をみながら
適切なケアを!

この記事では、新生児期の便秘の原因と、お家でもできる対策法、
病院を受診すべき症状の目安についてご紹介しました。
「あれ、うんちの出が悪いかな?」と感じたとき、一番大切なのは、
うんちが出ない期間や回数だけにとらわれるのではなく、
赤ちゃんの機嫌や体全体の様子をよく見てあげることです。
その上で、マッサージや水分補給、綿棒浣腸など、
お家でできるケアを試してみてください。
もし受診の目安となる症状が見られた場合には、
すぐに医療機関に相談しましょう。

【監修】:藤原智沙恵

薬剤師、京都大学大学院医学研究科に在籍。
小児科門前薬局で5,000人以上の乳幼児や家族に対して服薬指導・育児の健康相談の実績がある。現在は、株式会社Officeファーマヘルスの代表として、疾患啓発やヘルスプロモーションを目的とした医療・健康分野の情報発信・企画に携わる。

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