新生児・乳児期の
ミルクアレルギー
症状とは?
下痢などの対処法

アレルギー

アレルギー 乳児期のミルクアレルギー

赤ちゃんにミルクをあげたあと、発疹や湿疹が出たり、嘔吐や下痢を繰り返したりすると
「ミルクアレルギーかも」と不安になるかもしれません。
この記事では、赤ちゃんのミルクアレルギー症状について、
代表的な症状や受診の目安、対応方法を紹介します。

アレルギー症状や受診の目安、対応方法が気になる方はぜひご覧ください。

新生児~乳児期の
ミルクアレルギーとは

アレルギー疾患には、気管支ぜん息やアトピー性皮膚炎、
花粉症などさまざまな種類があります。

ミルクアレルギーは、粉ミルクにも含まれる牛乳タンパク質に免疫が
過剰に反応することで起こるアレルギーの一種です。

ミルクアレルギーは主には、粉ミルク(まれに母乳でも)を摂取後に数分~2時間(多くは30分以内)で
発症する「即時型食物アレルギー」と摂取後2時間〜数日で発症する
「食物タンパク誘発胃腸症(消化管アレルギー)」の2種類に分けられます。

特にアレルギー体質の家族がいる場合には、症状がみられやすいと考えられています。
なお、母乳の場合は、母乳アレルギーというわけではなく、
母親が摂った食物成分(牛乳など)が母乳に出ているためと考えられています。

新生児~乳児期の
ミルクアレルギーで
よく見られる症状

赤ちゃんのミルクアレルギーの症状には個人差があり、皮膚・消化器・呼吸など、
さまざまな箇所に症状がみられる場合があります。

ミルクアレルギーの症状

ここでは、上記の代表的な症状と特徴を見ていきましょう。

発疹・湿疹

皮膚にあらわれるじんましんは、よく見られるアレルギー症状のひとつです。
赤く膨隆したじんましんは、口のまわりやほほ、首、体幹に出るケースが多いです。
これは即時型食物アレルギーの症状で、授乳後2時間以内
(主には数分~30分以内)に出現するとされています。

ただし授乳後すぐに症状が出る場合もあれば、
数時間後に広がることもあり、個人差が大きいです。

一見、あせもや乾燥による肌荒れと区別がつきにくいですが、
かゆみを伴う、授乳後繰り返し症状が出る、発疹の範囲が
広がっている場合は、早めに医師へ相談すると良いでしょう。

不機嫌

前述したじんましんやお腹の不快感による違和感が続くと、
不機嫌な様子が続いたり、泣きやまなかったりするなどの
様子が見られる場合もあります。

いつもより機嫌が悪い、ミルクを嫌がるようなときは、体の不調のサインかも
しれないため、他の症状と合わせて観察してみましょう。

嘔吐

ミルクを摂取後1時間~4時間に突然マーライオンのように嘔吐を
くり返すケースでは、ミルクに対する食物タンパク誘発胃腸症
(消化管アレルギー)の可能性があります。

新生児~乳児期の赤ちゃんは、母乳・ミルクの飲み過ぎや
空気の飲み込みでも嘔吐する場合があります。
しかし食物タンパク誘発胃腸症(消化管アレルギー)では、授乳から
1時間〜4時間で突然嘔吐を繰り返し30分以内に収まるのが特徴で、
即時型食物アレルギーに代表的なじんましんなどの
皮膚症状はみられません。

粉ミルクを飲んだ後に毎回嘔吐の症状を繰り返す場合には、
無理に粉ミルクを飲ませるのは避けて専門医へ受診しましょう。

下痢や血便

前述の食物タンパク誘発胃腸症(消化管アレルギー)では、
ミルクを摂取後、1日~数週間以内に、下痢や血の混じった便が出る場合があります。
母乳の場合は、母乳アレルギーというわけではなく、母親が摂った食物成分
(牛乳など)が母乳に出ているためと考えられています。

粉ミルクを飲ませる毎に、便の回数が増えたり、水っぽくなったりするのが特徴で、
オムツ替えのたびにゆるい便が続く場合は受診を検討する必要があるでしょう。

さらにミルクアレルギーの腸炎型では、腸の粘膜に小さな傷ができ、少量の血が
混ざる場合もあります。血液混じりの便を反復する場合は専門医を受診しましょう。

呼吸の変化や顔の腫れ

即時型食物アレルギーが強く出るケースでは、
顔や唇の腫れ、息苦しさなどの症状が見られる場合があります。

ゼーゼーとした呼吸や、声がかすれる、顔色が悪い・顔や唇が腫れている、などの
症状が出たときは、複数の臓器に重篤なアレルギー反応が現れる
アナフィラキシーの可能性も考えられます。

初めての症状であっても、ためらわずに救急受診が必要です。

乳糖不耐症と
ミルクアレルギーの
違い

ミルクアレルギーと混同されやすいのが乳糖不耐症です。

乳糖不耐症は母乳やミルクに多く含まれる乳糖を分解するラクターゼという
消化酵素の産生が少なく、乳糖を分解できないことで
水様性下痢や腹痛などの消化器症状が生じます。
先天性のラクターゼ欠損はまれな疾患ですが、急性胃腸炎にかかった際に
一時的にラクターゼの産生が低下し下痢が長引く場合があり、
二次性乳糖不耐症といわれています。
下痢症状が長引く場合は一時的に乳糖を含まない粉ミルク
(無乳糖ミルクなど)を使用することで症状の改善が期待できます。

乳糖不耐症もアレルギーのような症状がみられるため、
アレルギーと間違われやすいですが原因が異なります。

新生児~乳児期の
ミルクアレルギー
症状を
疑った際に
救急車を
要請する目安

医師からの
アドバイス

赤ちゃんのミルクアレルギー症状を疑っていても、緊急度がわからず
悩んでいる親御さんもいるのではないでしょうか。

下記の症状がみられる場合はただちに救急車を要請してください。

Check

すぐに
救急受診が
必要な症状チェック

  1. ・ぐったりしている
  2. ・呼吸が荒い、泣き声がかすれて息苦しそう
補 足

これらの症状以外でも繰り返すようであれば、
受診をして原因を調べてもらいましょう。

新生児~乳児期の
ミルクアレルギーが
疑われるときの
対応方法

ここでは「ミルクアレルギーでは?」と疑った時の対応方法を紹介します。

自己判断でミルクを
変えない

ミルクアレルギーに似た症状(発疹・嘔吐・下痢など)は、
アレルギー以外の原因でも起こる場合があります。

例えばウイルス性胃腸炎などのアレルギー以外の病気の影響や、
ミルクの温度・量の問題、授乳後の姿勢なども関係しているかもしれません。
もし自己判断でミルクアレルギーと判断しミルクを変えると、
正確な診断が難しくなったり、必要な栄養が
不足してしまったりする可能性もあります。

補 足

まずは気になる症状があれば医師へ相談し、
アレルギーかどうか適切な診断を受けましょう。
もしミルクアレルギーであればアレルギー症状を抑えながら、
適切に栄養素を補給できる方法を提案してもらえます。

代替ミルクを検討する

代替ミルクは、医師にアレルゲンとなる食物タンパク質の摂取制限を
指示された場合に限り、医師や管理栄養士等の指導の下で使うものです。

ミルクアレルギーを疑う赤ちゃんには、
主に下記の2種類の代替ミルクが推奨されています。
まずは比較的味がミルクに近い加水分解乳や
高度加水分解乳が選択される場合が多いです。

しかし高度加水分解乳でもアレルギー症状がみられるケースもあるため、
アレルギー症状が重症な場合は、最初からアミノ酸乳が
選択されるケースもあります。

代替ミルクの
種類と特徴

代替ミルクの種類と特徴

このように代替ミルクはそれぞれ抗原性のレベルが異なり、
代替ミルクでもアレルギー症状を示す場合があるため、
独断で選ばずに病院で医師に相談しましょう。

前述の食物タンパク誘発胃腸症(消化管アレルギー)も
1歳半~2歳で治るケースが多いため、それまでは適切なレベルの
代替ミルクを用いるのが良いでしょう。

なお、代替ミルクだけでは栄養が十分ではなく、
必要な栄養素を補うために補助食品や栄養素の内服が
必要になる赤ちゃんもいます。
他にも上記以外の選択肢として、大豆アレルギーがない乳児には
「大豆粉乳」を選択する場合もあります。

補 足

当社でもアレルギー対応のミルクを取り扱っております。
医師や管理栄養士の指示・指導の下で使用をご検討ください。

森永のミルクアレルギー用「ニューMA-1」はこちら

まとめ

本記事では新生児~乳児期のミルクアレルギーの特徴や
症状、対応方法について解説しました。

「アレルギーではないか」と疑いながらも、受診の目安に
悩んでいる親御さんも多いかもしれません。
しかしミルクアレルギーの赤ちゃんでも
飲める代替ミルクも存在します。
少しでも気になる症状がみられたら、
早めに医療機関に相談するようにしましょう。

【監修】:後藤高弘先生

日本小児科学会認定専門医
京都府立医大附属病院小児科に勤務したのち、京都府立舞鶴こども療育センター小児科医長、米国フィラデルフィア小児病院腫瘍科博士研究員、愛生会山科病院小児科部長を歴任し、現在は医療法人悠山会かつらがわキッズクリニックの院長を務める。

後藤高弘先生の
プロフィールはこちら

参考資料

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