新生児が
ミルク
飲まない場合の
原因とは?
家庭でできる 対処法も解説

ミルクの基礎

ミルクの基礎 新生児がミルク飲まない

生まれたばかりの赤ちゃんがミルクを飲んでくれないと、不安になってしまうママやパパは多いものです。
「急にミルクを飲まなくなった」「飲み始めてもすぐに寝てしまう」「哺乳瓶を嫌がる」
― 実は、赤ちゃんの成長過程でこうした変化が起きることは珍しくありません。
しかしその一方で、体調不良や脱水、先天性の病気など、
医療機関の受診が必要なサインが隠れている可能性もあります。
本記事では、赤ちゃんの飲む量が減ってしまう原因と家庭でできる対処法、
そして「一時的に飲まない」場合の正常な範囲や、病院へ行くべきサインについて解説します。

新生児が
ミルクを飲まない
主な原因と対処法

新生児がミルクを飲まなくなる背景には、いくつかの原因が考えられます。
まずは主な原因と、それぞれの対処法を見ていきましょう。

哺乳瓶の乳首が
合っていない

新生児期は、口の中の筋力やおっぱいを吸うリズムが未熟です。
そのため、乳首の穴の大きさ(流量)や硬さが合っていないと、
上手に飲むことができません。

例えば、以下のようなサインが見られる場合、
乳首が赤ちゃんに合っていない可能性があります。

Point

量が
多すぎるサイン

  • むせる、咳き込む
  • 口の端からミルクがこぼれる
  • 飲むのを嫌がって顔を背ける
Point

流量が
少なすぎるサイン

  • 飲んでいる途中で怒って泣き出す
  • 授乳に時間がかかりすぎる
  • 途中で疲れて寝てしまう
補 足

このような場合は、乳首のサイズ(SS、Sなど)を一段階変えてみたり、
流量の異なる他メーカーの乳首を試したりすることで改善されることがあります。

また、乳首の穴の形には大きく3種類あり、それぞれミルクの出方が異なります。

乳首の穴の形

乳首の穴の形

さらに、素材によって「口への含みやすさ」も異なります。
赤ちゃんの好みに合わせて選んであげましょう。

乳首の素材

乳首の素材

1回の授乳時間が10〜15分(長くても20分)程度で終わるよう、
赤ちゃんに合った乳首を選んであげることが大切です。

姿勢や抱き方、
哺乳瓶の角度が悪い

体や首にねじれがある、顎が胸に付きすぎている、あるいは頭が反りすぎていると、
飲み込む動作(嚥下)が難しくなり、「飲み渋り」につながります。

また、哺乳瓶の角度にも注意が必要です。

飲ませる時のポイントは、赤ちゃんの唇が外を向くように
乳首をふくませ、口の奥までしっかりと乳首をくわえさせることです。
このとき、赤ちゃんが空気を飲み込まないように、哺乳瓶の底を高く上げて、
乳首部分が常にミルクで満たされている状態をキープしましょう。

ミルクの温度が熱い、
または冷たい

ミルクの温度が適切でないと、赤ちゃんが飲んでくれないことがあります。
調乳後は必ず腕の内側にミルクを少したらして、熱すぎず冷たすぎない
「人肌程度(腕の内側に垂らして熱くない温度)」になっているか確認してから与えましょう。

ただし、赤ちゃんによって「温かめが好き」「ぬるめが好き」といった
好みがある場合もあります。
赤ちゃんの様子をよく観察して調整してみてください。

「新生児のミルクの作り方とは?」

室温・湿度などの
授乳環境が適していない

「暑すぎる」「寒すぎる」「乾燥している」といった環境は、
赤ちゃんにとって不快感の原因になります。
足先が冷たい時は「寒い」、背中が汗ばんでいる時は「暑い」と感じているサインです。
赤ちゃんにとって快適な室温の目安は以下の通りです。

  1. 冬期:20〜25℃
  2. 夏期:外気より4〜5℃低い程度
  3. 湿度:50%

また、直射日光や強い照明、テレビの音、香水などの強い匂いは避けましょう。
静かで落ち着いた環境を作ってあげることで、赤ちゃんが授乳に集中しやすくなります。

空腹ではない、
授乳のタイミングが
合っていない

授乳のタイミングが早すぎてお腹が空いていなかったり、
逆に遅すぎて泣き疲れてしまったりすると、
ミルクを飲まないことがあります。
基本の授乳間隔は「2~3時間おき(1日8~10回程度)」ですが、
時計の時間だけでなく、赤ちゃんが欲しがっているサインを
見逃さないことが大切です。

Point

赤ちゃんが
ミルクを
欲しがっている
サイン

  • おっぱいを吸うように口をパクパク動かす
  • チュパチュパと音を立てる
  • 手を口に持っていって舐める
  • 体をもぞもぞ動かしてむずかる
  • 舌を出したり、「クー」「ハー」など
    小さく柔らかい声を出す
補 足

「泣く」というのは最終的な訴えです。
泣き出す前にこれらのサインが出ていないか観察し、
タイミングよくミルクを与えてみましょう。

授乳の途中で
眠ってしまう、
授乳のタイミングで
起きない

新生児期の赤ちゃんはまだミルクを飲むことに慣れていないため、
途中で疲れて眠ってしまうのはよくあることです。

また、授乳の時間になっても赤ちゃんがぐっすり寝ていて起きずに
ミルクがあげられないという場合もあるでしょう。
赤ちゃんは、生まれてから2か月頃までは睡眠覚醒リズムが安定せず、
その影響で一時的に授乳ペースが崩れることがあります。

体重が順調に増えているのであれば、無理に起こして
授乳をしなくても問題ありません。
赤ちゃんを起こしたい場合には、わきの下や足裏をこちょこちょとくすぐったり、
濡らしたガーゼで顔をやさしく拭いてあげたりするとよいでしょう。
赤ちゃんにミルクを飲ませたいからといって、激しく揺さぶったり、
大きな声を出したりするのは避けてください。

よくある
「一時的に飲まない」
ケースと体重
増加の目安

そもそも新生児の胃はまだ小さく、1回の授乳で少量しか飲めないことも多いものです。

ミルク量の目安としては、生後1週間ごろまでは「1回あたり、生後日数×10mL」程度です。
その後は赤ちゃんの様子を見ながら徐々に量を増やしていき、
生後1か月ごろ(生後30日)には、1回あたり80~100mLほど飲めるようになります。

また、新生児期には赤ちゃんの体重は1日あたり平均で30gずつ増加していきます。
厚生労働省のデータによると、生後5日まではあまり変化は見られないものの、
生後30日までにはおよそ1㎏程度増加することがわかります。

Check

【乳幼児の
身体発育値(体重)】

乳幼児の身体発育値

(参考)こども家庭庁調査結果の概要より中央値抜粋

個人差があるため数値はあくまで目安にはなりますが、
赤ちゃんが一時的にミルクを飲まなくなった場合でも、
体重が増えていて機嫌がよく、尿・便の回数も十分であれば、
焦らず上記の対策を行いながら様子を見ましょう。

改善が見られない場合は、かかりつけの小児科医や
助産師などの専門家に相談すると安心です。

「新生児の「便秘」の原因とは?」

新生児がミルクを
飲まない
ときの
受診の目安

医師からの
アドバイス

様子を見て良い場合がある一方で、早めに医療機関を
受診した方がよいケースもあります。

ミルクを飲まない以外に、以下のような症状がみられた場合には、
すぐにかかりつけの小児科医、もしくは救急外来を受診してください。

Point

早めに
受診したほうが
よいサイン

  • 発熱
    (特に生後3か月未満で38.0℃以上ある場合)
  • ぐったりして反応が薄い
  • 顔色が悪い
  • 呼吸が苦しそう
    (呼吸数が明らかに速い、肩で息をしている)
  • 脱水の兆候がある
    (6時間以上おむつが濡れていない、唇・肌がカサカサしている)
  • 嘔吐する
    (噴水のように吐く、嘔吐をくり返す)
補 足

夜間や休日に「すぐに病院へ行くべきか、朝まで待つべきか」迷った場合は、
小児救急電話相談「#8000」(全国共通)を利用してください。
小児科医や看護師からアドバイスを受けることができます。

赤ちゃんを
よく観察しながら、
飲まない場合の
対策を考えよう!

「新生児がミルクを飲まない」という悩みには、乳首のサイズ、ミルクの
温度、環境、タイミングなど、大人が調整してあげられる原因が多く隠れています。
まずは本記事で紹介した対策を試しつつ、赤ちゃんの様子を
優しく観察してあげてください。

もし発熱や脱水症状などの心配なサインが見られた場合は、
迷わず医療機関を受診しましょう。

【監修】:森崎美穂
(看護師・助産師)

京都大学医学部附属病院の周産期母子医療センターにて10年間勤務。
病棟での分娩介助や産後の育児支援、ベビーケアに携わる。
現在はクリニックで分娩介助をしながら新生児育児に関する情報発信に携わる。

参考資料

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