下痢の赤ちゃんの離乳食
下痢をしている乳幼児のための離乳食
はじめに
すくすく元気に育っているお子さまが風邪などのときに下痢をしてしまったら、とても心配ですね。
特に、もう離乳食が始まっているお子さまであれば、「離乳食は止めた方がいいのかしら?」とお悩みになられることでしょう。
お子さまが栄養不足にならないように、また、お子さまの食欲に応じて離乳食を与えご家庭で楽しい食事の時間を過ごせますように、下痢のときの離乳食メニューをご提案いたします。
ただし、お子さまの機嫌が悪い、食欲がない、嘔吐・発熱などの症状がみられる場合は、必ず医師の診断を受け、離乳食の与え方についても医師、管理栄養士等のご指導に従ってください。
赤ちゃんの下痢
赤ちゃんはいろいろな原因で下痢をおこします。下痢の原因になる細菌やウイルスもたくさんありますし、不適切な飲食物でも、腸に関係のないはずのかぜでも下痢をおこします。また母乳栄養では便が下痢気味で回数が多くなる場合と、便は固くないのに2、3日おきにしか出なくて便秘と間違えることもあります。
赤ちゃんの便がゆるい時は、心配な下痢か、様子を見ていてもよい下痢かを見分けることが大切です。下痢のほかに吐いたり、熱が出たり、食欲や元気がなくなったりすることがあったら、すぐにかかりつけのお医者さんに診てもらいましょう。
便がゆるいだけで、元気も食欲もあり、ほかに気になる症状がない場合には、母乳やミルクはふつうにあげながら、離乳食を消化がよく、腸を刺激しない内容にしてください。
(以下にあげた下痢の時にひかえたい食べ物は、腸を刺激しやすいもので、逆に言えば便秘気味のときによい食物です。)
恩賜財団 母子愛育会
日本子ども家庭総合研究所名誉所長
東京大学名誉教授
平山 宗宏
下痢のときに、ひかえたい食べ物
- 繊維の多いもの・・・葉菜類の茎、ごぼう、れんこん、海藻類、きのこ類、皮付きの豆類
- 脂肪の多いもの・・・バター、マーガリン、植物油、脂肪の多い魚や肉、チーズ、ホワイトソース
- 乳糖を含むもの・・・牛乳、ヨーグルト、チーズ
- 糖分の多いもの・・・カステラ、プリン、ゼリー類、果物の缶詰
- かんきつ類・・・みかん、オレンジ、グレープフルーツ
- 冷たいもの・・・ゼリー類、ヨーグルト、冷たい麺、冷製ポタージュ、アイスクリーム
下痢のときに気をつけること
- 水分が大量に失われるので、冷たすぎないもので水分補給をしましょう。
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下痢の治療には水分補給も大切であるといわれています。水(湯ざまし)、麦茶、小児用イオン飲料を飲ませますが、糖分は下痢をひどくすることがありますので、砂糖湯やジュースは与えない方が良いようです。
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- お子さまの機嫌がよく、食欲もあり、発熱などの症状も特になければ、様子をみましょう。
- 食欲がない場合は、無理に離乳食を与える必要はありません。
また、食欲があるからといって、お子さまの好きなものばかりあげないように、気をつけましょう。 - 食物アレルギーが心配なお子さまは、アレルゲン性の高い食物をあげるのは、控えましょう。