Q&A
[食生活:その他]
カルシウムは多く摂らなくていいの?
妊娠中は、おなかの赤ちゃんにカルシウムを取られるので、歯が悪くなりやすいと聞きました。鉄分や葉酸の摂取はすすめられますが、カルシウムは多めに摂らなくてもよいのですか?(妊娠28週)
妊娠中はつわりで歯みがきが充分にできなかったり、ホルモンの影響で粘膜が充血しやすくなるため歯のトラブルが多くなりがちですが、赤ちゃんにカルシウムを取られるためではありません。
以前は、妊娠中おなかの赤ちゃんの成長にカルシウムがたくさん必要なため、妊娠中の食事の基準には、付加量というプラスの基準量がありました。しかし、妊娠中はホルモンの影響などでカルシウムの腸からの吸収率が上昇することがわかり、現在の食事摂取基準には付加量はなくなっています。
しかし、カルシウムは日本人には常に不足しがちなミネラルといわれており、普段から食事のバランスに気をつけていても、推奨量(成人女性で650mg・2010年版 食事摂取基準より)まで摂るのは大変です。特にカルシウムをはじめ、カリウム、マグネシウムなどのミネラルを多く含む食品は、妊娠高血圧症の予防効果があると言われています。今まであまりカルシウム摂取を気にしていなかった人は十分摂るように心がけたほうが安心ですね。乳製品(例えばスキムミルクは、脂肪分が少なくカルシウムが多くおすすめです)や小魚類などを毎日の食事に忘れずに取り入れるようにしましょう。